GUIでKVMの仮想マシンを管理する

先日記事にしたKVMホストの構築に引き続き、今回はKVMの管理方法に関して書きます。
仮想マシンマネージャ ( virt-manager ) という、 X Window 上で動作する GUI の管理ツールを利用した方法について説明します。

はじめに

先日 30分で仮想サーバ(KVMホスト)環境を構築する という記事を書きましたが、今回は実際に仮想サーバ ( ゲストOS ) を立ち上げてみます。

KVMを管理する場合、コマンドラインで管理を行う事も可能ですが、はじめて利用する場合には、「 仮想マシンマネージャ ( virt-manager ) 」を利用するのが判りやすいでしょう。

仮想マシンマネージャは、仮想マシンの作成などの管理作業を行うためのソフトウェアで、GUI ( X Window ) 上で利用する必要があります。

上記の前回記事の通りに KVM ホスト環境を構築した場合、X Windows を含めた 仮想マシンマネージャ を動作させる環境もインストールされているはずです。

以下 仮想マシンマネージャを利用して管理を行う手順に関して説明します。

環境

環境に関しては前回記事と同様です。

OS CentOS 6.5
仮想マシンマネージャ
( virt-manager )
virt-manager-0.9.0-19.el6
 

管理ツールの実行手順

KVMの管理ツールである、仮想マシンマネージャを起動するまでの手順を示す。

Xの起動

先ず、X Window を起動します。
インストール時に X が自動起動するように設定されている場合、既にXが起動していると思われるので、飛ばしてください。

$ startx

仮想マシンマネージャの起動

  1. 仮想マシンマネージャを起動します。
    virt-manager を起動するために、先ず ターミナル を実行します。
    X 上でマウスを右クリックし、表示されるコンテキストメニューから [ 端末の中に開く ] をクリックします。
    X Window
  2. ターミナルウィンドウが開くので、仮想マシンマネージャを実行します。
    ターミナル
    $ virt-manager &
    

    もし、 "command not found" になってしまった場合は、virt-manager がインストールされていないと思われるので、インストールします。

    $ sudo yum install virt-manager
    
  3. virt-managerが起動します。
    ルートユーザ以外で実行した場合、root パスワードを問合せてくるので、パスワードを入力します。

    パスワード入力

    パスワードが正しければ、仮想マシンマネージャが起動します。
    仮想マシンマネージャには KVMホストの名前が表示されています。 ( 通常下図のように "localhost (QEMU)" )

    virt-manager

    上図のように Not Connected になっている場合には、localhost をマウスで右クリックし、コンテキストメニューから、 [ 接続 ] をクリックします。
    接続が行われると、KVMホスト上で管理されているゲストの一覧が表示されます。

    virt-manager

仮想マシンの作成

仮想マシン ( KVMゲスト ) を作成する手順を示します。

  1. KVMホスト ( localhost (QEMU) ) を右クリックし、[ 新規 ] をクリックします。
  2. 仮想マシン作成のウィザード画面が開きます。
    ここでは、仮想マシンの名前と、インストール方法を設定します。
    設定が完了したら [ 進む ] をクリックします。
    ※インストール方法に関しては適宜可能な方法を設定して下さい。
    KVMホスト にインストール用メディア ( CD-ROM、DVD-ROM等 ) をマウントし、このメディアからインストールを行うのが最も簡単だと思います。

    ここでは、ローカルのインストールメディアを選択したものとして進めます。
  3. インストールメディアを選択します。
    下は、KVMホスト にダウンロードしておいた ISOイメージファイルをインストール元として選択した画面になります。
    OSの種類とバージョンは必要であれば入力して下さい。私はCentOSのゲストを作成する際には特に設定せずにインストールを行っています。( 特に問題は発生していない )
    メディアを選択したら、[ 進む ] をクリックします。
  4. 次は、メモリとCPUの設定を行います。
    仮想マシンに割り当てる値を設定し、[ 進む ] をクリックします。
  5. 次は、仮想マシンに割り当てるディスク容量を設定します。
    今すぐディスク全体を割り当てるをチェックした場合、割り当てた容量分のサイズが作成時に割り当てられます。
    ※メモリやCPUの割り当てに関しては、後からでも比較的簡単に設定変更が可能ですが、ディスク容量に関しては、リサイズする手間がそれなりに発生するため、それなりに現実的な容量を割り当てておいた方がよいと思います。
  6. インストール確認画面に遷移するので、問題無ければ [ 完了 ] をクリックします。
  7. 設定したインストール方法に従って、OSのインストールが開始されます。
    ここから先は通常のOSインストール作業と変わりません。インストールするOSの手順に従ってください。

※OSインストール後には、作成した 仮想マシン が正しくネットワーク接続可能かもチェックしておきましょう。
前回記事 の通り KVM ホストをセットアップしてあれば、KVMホストと同じネットワークセグメントに接続可能なはずです。

仮想マシンの起動/再起動/シャットダウン/電源OFF

仮想マシンマネージャの一覧に表示される仮想マシン ( ゲストOS ) の一覧から操作したいゲストを選択、右クリックし表示されるコンテキストメニューから操作が行える。

ただし、再起動、シャットダウン操作に関しては、ここからでは行えない場合がある。
( この場合、KVM ゲストがシャットダウンできない を参考に )
それでも NG の場合には、ゲストOSへのログインを行ってshutdownコマンド等を利用してシャットダウン操作を行う必要がある。

仮想マシンの設定変更

  1. 仮想マシンマネージャの一覧に表示されるゲストOSの一覧から操作したいゲストをダブルクリックします。
  2. 仮想マシンのウィンドウが開きます。
    デフォルトで [ グラフィカルコンソールを表示 ] の状態になっているので、iマークのアイコンをクリックし、[仮想マシンの情報を表示]状態に変更します。
  3. 各種デバイス等の情報が表示されるので、適宜設定を変更し[適用]ボタンをクリックする事で設定変更が行えます。
    ※設定を反映するには、一旦仮想マシンをシャットダウンする必要あり

    弊社環境では、仮想マシン作成後は、以下設定を仮想マシンの用途等によって適宜設定している。
    Processor > CPU CPUの割当数を適宜設定する
    ※ホストのCPU数以下で設定する
    Processor > Configuration モデルを設定
    [Copy host CPU Configuration] ボタンを押して、設定されるモデルで問題ないか確認/適用すればOK。
    Memory > メモリー Current allocation / 最大割り当てをそれぞれ適当な値で設定する
    Boot Options > 自動起動 KVMホスト起動時に、ゲストOSも同時に起動させたい場合、[ホスト起動時に仮想マシンを起動する]にチェックを入れる。
    VirtIO Disk > Advanced options > Disk bus 原則 "Virtio"
    VirtIO Disk > Advanced options > Storage format パフォーマンス重視なら "raw" で
    VirtIO Disk > Performance options > キャッシュモデル パフォーマンス重視なら "writeback" がいいらしいが、安定性に欠ける場合があるとどこかで見かけたため、弊社ではnoneで設定している。
    VirtIO Disk > Performance options > IO mode パフォーマンス重視なら "native" がいいらしい。
    また、不要なデバイスを削除する事で、パフォーマンスの向上等が行える場合もある ( サーバ用途であれば、サウンドカード等のデバイスは不要と思われる )。
    利用用途に応じて適宜設定を行うのをお勧めします。

仮想マシンへのログイン

  1. 仮想マシンマネージャの一覧に表示されるゲストOSの一覧から操作したいゲストをダブルクリックします。
  2. 仮想マシンのウィンドウが開く。
    [ グラフィカルコンソールを表示 ] の状態になっているので、ゲストOSに応じたログイン方法でログインする。
    ※場合によっては、プロンプトが表示されずに真っ暗なままの場合があるが、この場合リターンキー押下で表示がなされる事が多い。
    それでも表示が行われない場合には仮想マシンマネージャの再起動で復旧するようだ。

仮想マシンのバックアップ

仮想マシンマネージャの一覧に表示される仮想マシン ( ゲストOS ) の一覧から操作したいゲストを選択、右クリックし表示されるコンテキストメニューから [ クローン ] を実行する事で行えます ( 仮想マシンのイメージファイルのコピーが作成できる )。

※仮想マシンをシャットダウンした状態で行いましょう。
難しい場合はスナップショットを利用する等、バックアップ手順に関しては何らかの考慮が必要です ( ここでは触れません )。

仮想マシンの削除

仮想マシンマネージャの一覧に表示される仮想マシン ( ゲストOS ) の一覧から操作したいゲストを選択、右クリックし表示されるコンテキストメニューから [ 削除 ] を実行する事で行えます。
削除を行う場合には仮想マシンを停止してから行ってください。

まとめ

前回と今回の記事を実践する事で、KVMを利用して仮想マシンを動作する事が可能です。
最初の仮想マシンの作成までなら、ここでの作業も30分もあれば可能かと思います。
合計1時間 ( 目安 )。
Let's エンジョイ 仮想化ライフ。